ウォール・ストリートジャーナル

The Wall Street journal

quarant’ottoの代表作である
Una Storiaのリングが
アメリカの経済誌 Wall Street Journalに
とりあげられました。

For a more whimsical take on the past, cross the river to the Oltrarno quarter, where locals outnumber tourists and where Japanese jeweler Aika Fushimi opened her Quarant’otto boutique two years ago. Ms. Fushimi’s signature piece, the Una Storia ring (about $2,050), mimics the arches of the hushed courtyard of the Basilica di Santa Croce. A man and a woman stand between tiny gold columns. It could be a tryst, it could be a first encounter. Or maybe they’re just two more tourists, falling in love with Florence. Via Maggio, 6,

もう少し一風変わった歴史を見るのなら
Oltrarno(オルトラルノ)地区の方へと
川を渡ると
旅行者よりも
その地に住む人々の方が多い場所があり
そこに日本人ジュエリーデザイナー
伏見愛佳が立ち上げた
ジュエリーショップquarant‘ottoがある。

伏見女史の代表作
ウナストーリアは静かな中庭に面した
Basilica di Santa Croce
(サンタクローチェ教会)
の支柱を模しており
リングの中の小さな黄金色の柱の間には
男性と女性が向かい合っている。

それはまるで
デートの待ち合わせのようでもあり
初めての出会いのようにもみえる。
けれども、もしかすると二人は
ただただフィレンツェに
恋をした旅行者の中の二人に
過ぎないのかもしれない。

朝日新聞 BE フロントランナー

the Asahi shimbun

朝日新聞 Be フロントランナーにて
デザイナー伏見愛佳が特集されました。

教会の回廊で少し離れて向き合う男女。

~ これは出会い? それとも... ~

代表作の指輪
Una Storia Firenze【ある物語】には
こんな詞が添えられている。

物語を描くように身に着けてほしい
との願いを込めて
立ち上げたジュエリーブランド
quarant’otto(クアラントット)
のデザインを担う。

4月に開業した
GINZA SIX(ギンザシックス)
の店舗には
ガス灯やラテン語、蜂などを
モチーフにした独創的なジュエリーが
並ぶ。
通りがかりの人が一人また一人
吸い込まれるように入っていく。

知名度もない。歴史も浅い。
流行も追わない。
にもかかわらず
開業月の坪あたりの売り上げは
全241店舗の中でトップクラス。
周囲を驚かせた。

幼い頃から
絵や物語を描くのが好きだった。
両親の反対で美大は諦めたが
社会人になっても絵の学校に通った。

そんな中
気まぐれで始めたジュエリー作りに
引き込まれた。
仕事を続けながら彫金を学んでいたが
30歳を前に伊フィレンツェに渡った。

2007年
神戸の路地に工房を兼ねた
3坪の店を開く。
なじみのない土地で人の通りもまばら。
道に迷い込んだ人との出会いを
重ねる日々だった。

3年経ったある日
大丸神戸店で働いていた
辰畑明実さん(63)は
カフェのような外観にひかれ
ふと足を踏み入れてみた。
「見たことのない世界観のジュエリーが
ずらり。宝物を探し当てたと思いました」と振り返る。
すぐに出店が決まった。

その後は東京にも広がり
昨年、フィレンツェに店を構えた。
偶然が運命を大きく変えた。

「物があふれている時代
人はその意味や付加価値を求める。
クアラントットには、ぬくもりがある。」
経営や品質管理などを担う夫で
宝石鑑定士の
淵田大介さん(45)は言う。

肌に触れた時の感触や風合いを
確かめるため、図面作りで終わらせず
立体的な原型まで作る。
完成品は詞とタイトルを付ける。
店内に飾られた絵画や内装も手がけ
自ら調達したアンティークの調度品も
色を塗り替える。
全てにデザイナーの息がかかっている。

その人の内なる思いを引き出すことに
重きを置くため、接客時間も長い。
言葉の力を信じる人には
羽根ペンのネックレスや本棚のリングを。

一日一日の時間を大切にしたい人には
数字や時計のモチーフを。

めぐる天体のように変わらない事象に
安心感を持ちたい人には
星や月のモチーフを。

経験や出来事とジュエリーが
ぴたりとはまったとき
「ぱっと目を見開く」という。

生きていく道をジュエリーに投影し
物語を紡いでいく。

人生の主役は私。

人生という名の物語を自由に
描くため、そっと寄り添う。


— 順調に見えます。

去年までの3年間は
精神的に追い詰められていました。
店舗が増えすぎたため
店に立ったり創作したりする時間が
極端に減ってしまいました。

マーケティングに基づくものづくりでは
ゼロから生み出せない。
そう思って他のブランドは一切見ず
ジュエリーに意味を込めて
作ってきたのに、
価格帯やトレンドの話を聞くのは
苦痛でした。

感性だけで作って
周囲に迷惑がかかってしまうのならば
デザイナーを降りようとさえ思いました。

— 乗り越えましたか。

思い切って店を
いくつか整理することにしました。
初心に戻って絵を描くことで
絵画のようなジュエリーを作ることが
私の最大の特徴なんだと確信しました。

世界は広いけれど
皆同じ人間なのだから
心の中の大事なものは大差ないはず。

無謀な夢だと思いましたが
本場フィレンツェに出店を決めました。
徐々に自分を取り戻し
今はすごくいいバランスです。

~思いを共有して~

— 日本とイタリア
両方の技法を用いています。

精巧さや職人の勤勉さは日本
デザインやセンスはイタリアが
優れています。

日本は各工程に専用の道具がありますが
イタリアでは自転車のスポークや
ほうきの柄、干しイカなど
身近な物も用います。

イタリアの職人はアバウトですが
火の音や手加減など経験値を重んじるので
仕上がりはなんとも味わい深いです。

私が作った原型をもとに
日本とイタリアの職人が分業で
仕上げていきます。
両方の良さをいかすこの方法を
「Made with Italy」
と呼んでいます。

— フィレンツェの伝統技法とは。

様々な彫刻刀を用いて
透かし模様や絹のような光沢、
微細なきらめきなど
金属に表情豊かな加工を施す技法です。
手彫りでしか表現できない
独特の風合いが魅力です。

— 職人にお客様の思いを
伝えるための工夫は。

 職人は工房にこもっていて
外の世界を知らないので
店のイベントに
参加してもらったこともあります。
 それから、
購入してくれたお客さまがどんな思いで
選んでくれたのかを指示書に書き加え
仕事に取りかかる前に
読んでもらっています。
相手を想像することで
思い入れが強くなるのか
ミスが減りました。

— どのような留学生活を
送っていましたか。

時間もお金もなかったので
工房を三つ掛け持ちし
彫金、石留、デザインを学びました。

空き時間も工房の机を借りて作り続け
腱鞘(けんしょう)炎になったほどです。
仕切りのない部屋を
3人でシェアしていました。
安価なトマトとカリフラワーばかり
食べていましたが、
創作に専念できるのが
何よりうれしかったです。

— なぜジュエリーを。

ずっと絵を描いてきましたが
絵は自分の内面がえぐり出されて
辛(つら)かったです。
もっと優しいものが
作りたいと思っていました。

毎日身につけられて
永遠に残るところにも
惹(ひ)かれました。
ジュエリーのアイデアは
泉のように湧き出てくるので
苦しさを感じたことは一度もありません。

~自分で買うもの~

— 女性客が多いです。

出発点は自分が身につけたいものを
作ることでした。
初めてのジュエリーは
社会人1年目に自分へのご褒美で買った
ダイヤのピンキーリングで
そのときの喜びが原点です。
自分で意味を求めて買うものだと思っています。

— 創作するときに心がけていることは。

想像力をかき立てられるよう
余白を大切にしています。
パーツは用意してあるので
あとは自分で選んで物語を組み立てて
欲しいと思っています。

伝統に頼りすぎないよう
最新の技法も
採り入れるようにしています。

身につける人が
少しでも幸せになってくれることが
目的なので、独りよがりにならないよう
気をつけています。

— 社員は家族のような存在だとお聞きしました。

創業時から支えてくれている社員
3姉妹で働いている社員もいます。

もともとお客さんだった人も多く
私のことをよく分かってくれています。
内装に既製品を使わないため
催事前の作業は夜通しになりますが
根気よくついてきてくれて
感謝しています。

— フィレンツェに出店しました。

観光地から離れ
呼び鈴を鳴らさないと入れないような
店なのに、思った以上に好調です。
個性的なデザインから売れていくのも
大きな自信になりました。

最近は日本の店で結婚指輪をオーダーし
新婚旅行先のフィレンツェで
受け取る人も増えています。
そういう物語の描き方があるんだなと
感心しました。

先日、米紙ウォールストリートジャーナル
でこの店と代表作が紹介されました。
「最高のお土産を探すなら
ベッキオ橋をスキップして」と。
世界中の人に知ってもらう
玄関口になったらいいなと思っています。

イタリア・ウェブメディア

Fragolosa

イタリアのウェブメディア[fragolosa]にて、
クアラントットが特集されました。

⦅涙のあとは⦆

「あなたにはどう見えますか?」 
愛佳は尋ねました。 
「鳥…日本の鳥が文字を見ている、
ということですか?」 
私は答えました。

「日本の鳥ということではなく 
ただ[鳥]ということなのです。 
また[花]も何の花であるかは
重要ではなく 
ただ[花]であり
全て 自然が生み出した
ものであるということなのです。 

この絵は[言葉]のお店の中の
鳥たちです。 
甘い味の言葉は食べることが出来ますが 
苦いと食べることが出来ません」

なるほど。 
彼女の空想の中で、怒りの言葉は 
とても苦い味がしているのだそうです。

私達はじっくり考えてから 
言葉を使わなくてはいけないし 
この世の中の全ての人が愛に満ち溢れた
甘い言葉を使うようになれば 
ということが彼女の願いなのです。

日本人の国民性を知っている人なら
この考え方を
理解できるのではないでしょうか。

その考え方は 
彼女の絵やそこに描かれた物語の中で 
さらに美しく生き生きとしたものに
なっています。

全ては彼女の心の中に芽生えた感情から
始まり 、物語が湧き上がります。

そして登場人物達は[優しい形]をした 
自然の生き物たちとして
絵の中で表現されています。

ジュエリーのデザインも 
同じようなプロセスを辿り生まれます。

芸術のこれらの二つの形 
想像上の生き物たちの物語と
ジュエリーの創造は
平行に流れる川のように 
寄り添って流れているのです。

マルチアーティストである彼女は 
そこでしか実現できない
特別な技術を学ぶ為に 
フィレンツェにやって来ました。

そしてその技術を持っているこの街に 
敬意を表したいという思いで 
多くの偉大な彫金のマエストロたちが
工房を連ねる ポンテベッキオ界隈に
お店を開きました。

日本では早くも
4店舗を構えるブランドとして 
確立しています。

これは日本の文化なのだそうですが 
そこでは常にドアが開かれており 
購入することがないとしても 
誰でもそれらの作品を
眺めることが出来ます。

彼女が何度も口にしていた
[オープン性]について 
「私のデザインは
全ての人に向けたもので 
そこには国別のマーケティングなども
存在しません。

心に思うことや感じることに 
人種の違いは無いと思うのです」 
と説明しています。

彼女がイタリア在中に住んでいた
アパートの番地が48であったことから 
ブランド名は48(クアラントット)
となりました。 
そして彼女の2匹の犬も
4と8と言うのだそう。

彼女にとって
4と8はまさにラッキーナンバーです。

そして
「特別な数字はきっと誰にでもある」と
彼女は言います。

彼女のジュエリーのひとつの特徴は 
とても繊細で
控えめな大きさであるということです。

それは富や権力を
誇示する必要はないという 
日本人の美学を表しています。

穏やかで繊細なジュエリーは 
日本の確率された 
素晴らしい文化の
ひとつでもあるのでしょう。

それらは小さいながらも
完璧であり 
細部に信じられないほどの
配慮がなされています。

例えばネックレスは脱着しやすいよう 
通常より大きな輪っかが付いています。

エンドの部分には
繊細なケシパールが施され 
また長さ調節ができる仕組みに
なっています。

彼女の素晴らしい作品の中で 
私の心を捉えて離さなかったもの 
そして私が彼女の作品に夢中になった 
きっかけについてお話しします。

それは、彼女が2017年にデザインした 
⦅涙のあとは⦆
という名の繊細なネックレスです。

彼女はこう話してくれました。 
「涙というものは
決してネガティブなものでは
ありません。 
私は日々 どうしたらより良く
生きていけるかについて考え 
常に歩むべき正しい道を探しています。 
私も泣くことがありますが 
涙というものは強くなりすぎた感情を
冷ますのに
とても良いものだと思うのです。 
涙のあとの
明日は新しい一日となるのですから」

 

 

Aika mi dice: “Tu cosa vedi?”… rispondo: “Vedo degli uccelli, probabilmente giapponesi, che guardano delle lettere…é così ?”…ribatte: “Non sono uccelli giapponesi, sono uccelli e basta. Lo stesso concetto vale per i fiori, i fiori sono fiori e basta, non importa quale tipo di fiore, sono tutte creature che appartengono natura. Ti spiego, loro stanno comprando le parole… e se sono dolci, loro le mangiano. Se sono amare o piccanti le lasciano”. Ho capito, una parola di rabbia è sicuramente piccante per le sue creature di fantasia. Lei mi spiega che: “Prima di usare le parole dobbiamo pensare tanto, e il suo desiderio è quello che tutti gli esseri umani possano usare: “Parole dolci, con amore”. Per chi conosce il popolo giapponese é assolutamente comprensibile questo ragionamento, che ancora più bello e vivo trasposto nei suoi disegni e nelle storie che mette in scena. Il percorso inizia con un’emozione che la colpisce, dalla quale scaturisce una storia che poi rappresenta nel disegno, utilizzando personaggi della natura che vive come “forme rassicuranti”. Il suo procedimento per creare gioielli é simile a quello appena descritto. Queste due forme di arte, il disegno di animali di fantasia con le loro storie e il disegno e la realizzazione di gioielli navigano su fiumi paralleli. Aika Fushimi è un’artista a tutto tondo, venuta in Italia per imparare una speciale tecnica d’incisione che si realizza unicamente a Firenze, ha poi voluto rendere omaggio alla città che l’ha ospitata, aprendo un punto vendita proprio vicino a Ponte Vecchio, accanto cioè ai grandi maestri orafi. Il brand si è velocemente consolidato in Giappone con quattro punti vendita dove, come da tradizione, le porte sono sempre aperte e tutti possono curiosare, anche senza comprare. Sul concetto di “apertura” insiste molto, spiegando che lei “disegna per tutti”, non ci sono strategie di marketing per paese, oppure strani diavolerie nella comunicazione. Tornando all’Italia, nel periodo nel quale viveva qui, la sua casa era al numero quarantotto e per questo motivo ho deciso di chiamare “quarant’otto” il suo brand. Scomponendo poi il numero, i suoi due cani: uno si chiama 4, l’altro si chiama 8. Quattro e otto sono i suoi numeri fortunati, ognuno dovrebbe averne uno secondo lei. La prima caratteristica dei suoi gioielli è che sono piccoli. Sono lo specchio della sua cultura, dove non bisogna mostrare o ostentare ricchezza e potere. Una serena discrezione è un modo di vita ben consolidato in Giappone. Seppur piccole, le sue creazioni sono perfette e mostrano un’attenzione incredibile ai dettagli. Per esempio, le chiusure delle collane non solamente hanno un anello più grande del solito per facilitare l’agganciamento, ma sono regolabili nella lunghezza attraverso un sistema ingegnoso che termina con una delicata perla selvaggia. Tra tutte le sue magnifiche realizzazioni, vorrei parlare di quella che mi ha colpito dritto al cuore e che é il motivo per il quale mi sono appassionata al suo lavoro. Si tratta della delicata collana “ Dopo le lacrime”. L’ha creata nel 2017 e questa è la storia: “Le lacrime non sono negative. Ogni giorno penso a quale sia il modo migliore per vivere e cerco sempre la strada più giusta da percorrere. Anch’io piango e le lacrime sono molto utili perché abbassano il livello di un’emozione troppo forte. Dopo le lacrime so che domani sarà un giorno nuovo”.

映画「フォルトゥナの瞳」

Movie

クアラントット神戸店にて

撮影の協力をさせて頂きました
映画が上映されました。

デザイナー伏見愛佳とクアラントットのジュエリーも登場いたしました。

『フォルトゥナの瞳 』 
2019年2月15日 全国公開

フォルトゥナとは運命の女神。
その瞳を持ってしまった者には
「死を目前にした人間が透けて見える」
という不思議な力が宿る。
運命が見える男と
“死の運命”に導かれる女性が織りなす
心震える“ファンタジーラブストーリー”

監督 三木孝浩 
原作 百田尚樹『フォルトゥナの瞳』
(新潮文庫刊) 
脚本 坂口理子 音楽 林ゆうき

キャスト
神木隆之介 有村架純 志尊 淳 DAIGO
松井愛莉  北村有起哉 斉藤由貴 時任三郎

主題歌
ONE OK ROCK

date.kobe 公式サイト
https://datekobe.net/fortuna/